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男の薄毛は「毛髪のミニチュア化」から始まる

前頭部や頭頂部の髪の毛が薄くなるAGAはヘアサイクルの成長期が短く、休止期が長くなりかたい髪が軟毛化していくことで進行します。

男性型脱毛症=AGAでは、脱毛した部分の髪の毛はうぶ毛のように細く弱々しい毛になっていき、さらに進行すると髪の毛がなくなっていきます。
AGAの進行、つまり脱毛が進むプロセスは、最初から毛をつくる毛包がなくなってしまうのではなく、毛髪がミニュチュア化することから始まります。
毛包はヘアサイクルをくりかえすうちに成長期が短くなり、外に出た髪の毛が細く短いうぶ毛のままで、抜けやすい休止期に入ってしまいます。そしてうぶ毛程度のものも表に出てこなくなり、毛球部も蒙縮して消失してしまうのです。
このヘアサイクルを狂わせるのが男性ホルモンのテストステロンです。テストステロンは前頭部から頭頂部の毛乳頭にあるⅡ型5α-還元酵素と結びついて強力なジヒドロテストステロン(DHT)に変わり、これが毛乳頭にあるレセプターと反応して脱毛シグナルを発信し、成長期を終わらせてしますのです。

「休止期」と「成長期」のくりかえしが「毛周期=ヘアサイクル」

細胞分裂で上へ伸びた髪の毛は、やがて成長をやめて抜け落ちます。その周期が狂うことでAGAが起こります。

10~15万本もある髪の毛の一本一本が毛母細胞の分裂によって成長し、やがてそれが止まり、抜け落ちるというサイクルをくりかえしています。これを毛周期=ヘアサイクルといい、一本の髪の毛が生まれてから抜け落ちるまでの1サイクルは2~7年です。
毛母がさかんに細胞分裂をくりかえし、ぐんぐんと上方へ伸び、表皮から外に押し出され続けている間が成長期です。細胞分裂が止まり、成長をやめた髪の毛は毛乳頭から離れて上へ移動していく退行期を経て、やがては成長が完全にとまり、髪の毛が自然に抜け落ちるのを待つだけの休止期に入ります。しかし、その一方で毛包は新しい髪の毛をつくる準備をはじめています。
このくりかえしで髪の毛の全体量は保たれていますが、「次の髪の毛をつくれ」という指令が何かのきっかけで狂うと、AGAの進行がはじまります。

毛髪が生えるのにもっとも大事なのは「毛包」

髪の毛をつくるもととなるのが毛包です。毛包内の毛母細胞が分裂をくりかえし、角化したものが頭皮の外に出て髪の毛となります。

毛髪のうち、頭皮から外に出ている部分が毛幹、埋もれている部分を毛根といい、毛根は毛包に包まれています。ひとつの毛包には2~3本の毛根が包まれていることもあります。髪の毛をつくったり成長させたりするのは、毛根の根元にある毛球部の毛母細胞です。
この毛球部が、髪の毛をつくる工場ともいえる大事な部分です。毛乳頭が血中のホルモンから指示を受け、「髪の毛をつくりなさい」という命令をくだすと、毛母細胞は細胞分裂をさかんに行い、髪の毛を成長させます。この細胞分裂がすすんで角化したものが毛穴から出ていき、外側から見える「髪の毛」となるのです。この髪の毛の発生には立毛筋の付着部にある膨大部(バルジ)の細胞が幹細胞として深く関わっているといわれています。細胞分裂はやがて止まり、髪の毛は抜け落ちますが、毛包の中では次の新しい髪の毛をつくる準備をしています。